野球の華々しいプレーといえば、やはりホームランですよね。
ホームランといえば、通算本塁打の記録保持者の「王貞治」さんやプロ野球シーズン記録を作った「バレンティン」選手など、多くの素晴らしい記録が作られています。
しかし、その中でもホームランを打ったにも関わらず「ベースの踏み忘れ」によって、幻となったホームランになっている人も実は何人もいます。
そんな今回はホームランで「ベースを踏み忘れる」ことによって、アウトになってしまう事例やアウトにするための条件をご説明していきます。
1. ベースの踏み忘れはアウトになるが、アピールプレーが必要
ホームランを打った後は、1塁からホームまでのベースを必ず踏みながら一周する必要があります。
もし、その一周の間で「ベースの踏み忘れ」があると「アウト」になるのですが、すぐにアウトを宣告されるわけではありません。
実は守備側が「ホームランを放った打者がベースを踏み忘れていること」を審判に宣告することで、初めてアウトになります。このプレーのことを「アピールプレー」と呼びます。
もし、このアピールプレーをせず、そのままプレーを続行すると、ホームランが認められますので、守備側は必ず審判に申告をする必要があります。
2. ベースを踏み忘れた場合、記録上はどうなる?
どのベースを踏み忘れたかによって、記録上は変わります。
- 一塁ベースの場合:アウト
- 二塁ベースの場合:ヒット
- 三塁ベースの場合:ツーベース
- ホームベースの場合:スリーベース
一塁ベースの踏み忘れ以外の場合は、ヒットと認められますが、残念ながらホームランと記録されることはありません。
3. 実際にベースの踏み忘れをした人
ここからは実査にホームランを打ったけど、ベースの踏み忘れをやってしまったがために、ホームランと記録されなかった人を紹介します。
3.1 長嶋茂雄
日本国民なら誰でもご存知のプロ野球界のミスター「長嶋茂雄」さんです。
1958年9月19日の巨人対広島戦において、彼がルーキー時代に後楽園球場で放った打球はレフトフェンスを越え、ホームランとなります。
しかし、当時のミスターは一塁ベースを踏み忘れてしまい、一塁手からのアピールプレーにより「アウト」を宣告されました。(記録上は「投ゴロ」になっている)
「完全に僕の失敗でした。ベースを踏んだかどうかははっきり言って自信がなかった」
日刊スポーツから引用
https://www.nikkansports.com/baseball/news/1837834.html
もし、この試合でホームランが記録されていれば、3割30本30盗塁のトリプルスリーの偉業を成し遂げた可能性があっただけに、何とも悲しい事件となっています。
3.2 アート・ガードナー
1981年7月19日の大洋ホエールズとの試合で、事件は発生します。
当時の横浜スタジアムでガードナーが放った打球は見事ホームランとなりますが、何と最後のホームベースを踏み忘れるという失態を犯してしまいます。
ただし、ホームベースの踏み忘れということもあり、残っていたランナーはすべて返していたため、試合に無事勝ってはいますが、ファンの記憶には強烈に残る事件となっています。
3.3 イ・スンヨプ(小関竜也の踏み忘れで記録なし)
2006年6月11日に行われたセ・パ交流戦(巨人対ロッテ)で、ベースの踏み忘れが起こりました。
イ・スンヨプ選手が放った打球は見事ライトスタンドに入り、ホームランになりました。しかし、この時ランナーとして居た小関(おぜき)選手が三塁ベースを踏み忘れてしまい、アピールプレーによってアウトになってしまいます。
しかもこの小関選手の踏み忘れがちょうど3アウトとなってしまい、イ・スンヨプ選手のホームランは認められず、ただのヒットに記録されてしまいました。
しかし、小関選手はベースを踏んだと発言しており、今でもなお、あのアウトは誤審なのではないかと言われています。
3.4 マレーロ
2017年6月9日のセ・パ交流戦(オリックス対中日)において、マレーロ選手がホームベースの踏み忘れをしてしまいました。
しかも日本に来て初めてのホームランになるはずだったので、ニュースでもかなり大きく報道されていましたね。
しかし、2017年9月19日の試合で、マレーロ選手は日本プロ野球の通算本塁打10万号を見事に達成しました。
先人たちが積み重ねてきた記念すべき10万号をちょうど打つというまさに「持っている男」と言っても過言ではないでしょう。
4. ベースの踏み忘れ以外にもホームランがアウトになる条件
ベースの踏み忘れ以外にもホームランがアウトになる条件として、ホームランを打った打者が前のランナーを追い越してしまうことがあります。
実際、このような珍プレーが2004年9月20日(日本ハム対ダイエー戦)の札幌ドームで発生します。
ホームランを放った選手はあの「新庄剛志」選手で、その打球は左中間スタンドに運ぶサヨナラホームランとなりました。
しかし、新庄選手の前を走っていたランナー(田中幸雄選手)が、ついつい喜びすぎて新庄選手と抱き合った結果、何と二人でその場を回ってしまいます。
その回ったことによって、一瞬ですが、新庄選手は前のランナーを追い越してしまい、結果アウトになってしまいました。
5. まとめ
ここまでたとえホームランを打ったとしても、ベースの踏み忘れがあるだけで、幻のホームランになってしまう事例をご紹介してきました。自分の応援しているチームがこのような事態に起こらないために、しっかりとベースを踏むことを確認してもらいたいものですね。