野球には様々な記録がありますが、その中でもバッターを評価するうえで重要な指標が打点です。ただ、一口に打点言っても意外に意味として深いのが特徴です。
この記事では、打点の意味や記録される時のケースなどを解説していきますので、ちょっとした参考にどうぞ。
野球の打点とは?
野球用語の一つである「打点」とは、バッターが打球を打った際もしくはフォアボールによる押し出しでホームへ帰ってくる人数のことを指します。例えば、塁にランナーが居る状況でホームに返すか、もしくは自分自身がホームランを打てば打点が付きます。
では、以下のようなシチュエーションだと打点はどれくらい付くでしょうか。
- ランナー1,2塁で2塁打を打ち、2人ホームへ生還:打点2
- ランナー満塁でホームランを打ち、4人ホームへ生還:打点4
- ランナー3塁でヒットを打ち、1人ホームへ生還:打点1
- ランナー満塁でフォアボールやデッドボールで押し出しになり、1人ホームへ生還:打点1
上のシチュエーションのように、ランナーがいる状況でヒットを打てば打点が付きやすくなります。
ヒットだけでなく、フォアボールやデッドボールでもランナーがホームへ帰れば、打点が1記録されます。
打点が付かないケース|相手のエラーなど
しかし、バッターが打球を放ちランナーが帰ってきたとしも打点にならないケースがあります。
- ノーアウト満塁などでゲッツーを打ってしまった時:三塁ランナーが帰ったとしても打点は0
- 相手のエラーによって点が入った時:エラーがないと点が入らないケースだと打点は0
ただし、相手がエラーしたとしても必ず打点が0というわけではなく、エラーがあってもなくてもランナーがホームへ帰れるケースだと打点は付きます。この打点が付くかどうかの判断は、野球の記録員によって行われます。
打点が高い=勝負強いバッター
打点が高いということはそれだけランナーをホームに返しているということです。
つまり、打点が高いバッターであればあるほど、非常に勝負強いバッターと言えるでしょう。
日本のプロ野球界においては、打点100というのが大きな目安となっており、この100の数字をクリアしているバッターこそチームの4番に相応しいとも言えます。
最近の選手で言うと、侍ジャパンの4番に定着した筒香選手だと打点94、トリプルスリーで有名になった柳田選手だと打点99をシーズンで記録しています。(2017年度プロ野球の個人成績より)
惜しくもどちらの選手も打点100には届きませんでしたが、相手チームにとってはそれだけ勝負強いバッターとして認知され、警戒されやすいとも言えますね。
打点を手っ取り早く稼ぐには?
打点を手っ取り早く稼ぐにはやはりホームランです。ホームランの場合、ランナーだけでなく自分自身も打点に繋がるので、最高で4点を記録することができます。
そのため、ホームラン数が多ければ多いほど打点は稼ぎやすくなります。
また、2塁打や3塁打などの長打を打つことも重要です。普通のヒットでは帰ってこれないケースでも長打を打つだけでランナーをたくさん返しやすくなります。
打点と得点の違いって?
打点とは別に「得点」という記録もあります。ただ、よくこの打点と得点の意味を混同する人も居るので、改めて説明します。
「打点」はバッターが打球を打った際にホームへランナーが帰ってきた人数です。もちろん、バッターがホームランを打てば自分の分も打点に加算されます。
一方の「得点」は、ランナー自身がホームへ帰ってきた回数のことです。得点2となると、その試合で2回ホームへ帰ってきたということになります。
100打点カルテットと呼ばれる時代が存在した!?
2003年、ソフトバンクホークスの前身である「福岡ダイエーホークス」時代に存在した「ダイハード打線」には、100打点に到達した選手が4人もいました。
それらの選手は、2018年の千葉ロッテマリーンズの監督である井口選手、平成最後の三冠王と呼ばれる松中選手、強肩強打でWBCを世界一に導いた城島選手、そしてダイエー時代の伝説の助っ人であるバルデス選手の計4人がシーズンで打点100を記録しました。
ちなみに、カルテットとは4人組のことを指しています。
これだけの強力打線があったおかげで、2003年の福岡ダイエーホークスは見事シーズンで優勝を達成し、日本一にもなっています。
打点の歴代記録保持者|通算成績
打点の通算成績では、以下のようなランキングになっています。
順位 | 選手名 | 打点 | 本塁打 |
1 | 王貞治 | 2170 | 868(1位) |
2 | 野村克也 | 1988 | 657(2位) |
3 | 門田博光 | 1678 | 567(3位) |
4 | 張本勲 | 1676 | 504(7位) |
5 | 落合博満 | 1564 | 510(6位) |
やはり打点が歴代一位は世界のホームラン王である「王貞治」さんです。ホームランの数が圧倒的なだけに、打点も堂々の一位ですね。
2位の野村克也さんもホームラン数が歴代2位ということもあり、打点も王さんに次いでいます。
これから王貞治さんの記録が塗り替えられるかは分かりませんが、同じ早稲田出身の清宮選手などの若手が将来的に塗り替える可能性はあります。
一ファンとして期待したいところですね。
まとめ
今回は野球の「打点」に関する知識を紹介してきました。打点と一口に言っても、打点が付かないケースがあったり、フォアボールを選んでも打点が記録されていたりと、意外に知らないこともあったのではないでしょうか。
これを機に打点について詳しく知っていただき、さらに野球観戦を楽しんで頂けたらと思います。最後までご覧いただきありがとうございました。