プロ野球の試合結果をニュースで聞くと、
「セ・リーグの試合結果は…」
「パ・リーグの順位は…」
ってよく耳にしませんか?
野球に興味がない人でも、プロ野球はセ・リーグとパ・リーグの2リーグ制!
というのは御存じの方が多いでしょう。
では、その2つのリーグは
「どのような基準で分かれているのか?」
「それぞれどのような特徴があるのか?」
など疑問に思う人もおられるかもしれません。
今回はそんなリーグの歴史、特徴や違いなどをまとめてみました。
セ・リーグとパ・リーグの誕生
今でこそセとパの2つのリーグが存在しますが、元々はプロ野球は「日本野球連盟」の1リーグ制でした。
1リーグ制が無くなったのは1950年のこと(筆者はまだまだ誕生していません…)
プロ野球チームに新規参入したいチームが複数球団あったのですが、
その中の1つにあったのが「毎日オリオンズ」!
今では名前に名残は残っていませんが、現在の「千葉ロッテマリーンズ」の前身のチームです!
当時は「毎日」の名の通り、お菓子メーカーの「ロッテ」ではなく、
「毎日新聞」が親会社でした。(もちろんロッテは2006年設立なので、当時会社として存在しません。)
しかし、「毎日オリオンズ」が参入することを快く思わない球団がありました…
それが「読売ジャイアンツ」と「中日ドラゴンズ」!
「読売」も「中日」も親会社は新聞社であるため、「毎日」はライバル会社ということになります。
折角プロ野球という興行を自分たちが盛り上げてきたのに、後から入っていい思いをするのはオカシイ!
という考えから「毎日オリオンズ」の参入に猛反対します。
一方で、他の球団の一部は「毎日オリオンズ」の参入に賛成します。
(新聞社でなければ、経営に無関係というのもあったかもしれません…)
こうして分かれた賛成派と反対派でそれぞれ別のリーグを作ることになりました。
それが、セ・リーグとパ・リーグの始まりです!
セ・リーグとパ・リーグの名前の由来
そんな経緯で誕生したセ・リーグとパ・リーグ。
では、セとパの正式な名称は御存じですか?
正式名称には先程の仲違いにおける両リーグの考え方が含まれています(^^)
セ・リーグ
正式名称はセントラル・リーグと言い、略してセ・リーグと呼ばれます。
セントラルには「中央の」という意味が含まれていますが…
確かに関東圏の球団は多いですが、
名古屋の中日ドラゴンズや、広島の広島東洋カープもあるので、
そのままの訳し方だと良く分からないですね(>_<)
実は先程の仲違いの「読売」や「中日」のような「毎日」参入反対派のリーグです!
つまり、セントラルには中央→我々こそが正当なリーグ!!
という意思が込められています。
パ・リーグ
では一方のパ・リーグはどうでしょう?
正式名称はパシフィック・リーグと言い、略してパ・リーグと呼ばれます。
パシフィックには「太平洋」という意味がありますが…
先程のセ・リーグの話と同じように考えていけば、名前の由来が分かります(^^)
セ・リーグが「毎日」参入反対派であったのなら…
パ・リーグは「毎日」参入賛成派のリーグということになります。
セ・リーグに比べ、新しいものを取り入れる改革派タイプの球団が多いわけです。
つまり、パシフィックには太平洋→プロ野球をより良くしていこうという国際的なリーグ!!
という決意が反映された名前です。
セ・リーグとパ・リーグの特徴
セ・リーグは巨人筆頭に根強い人気球団が多い
セ・リーグは1リーグ制時代から参入していた
「読売」や「中日」、「阪神」が在籍するリーグであるため、
人気が根強いのが特徴!
特に「読売」は日本テレビ系列なので、全国的に野球中継が放映される球団です!
野球はあまり観ないけど、テレビで巨人戦をよく見かけるという人も多いと思います!
「人気のセ」と呼ばれるだけあり、パ・リーグに比べ豊富な資金力で、
スター選手を数多く輩出したり、外国人助っ人を獲得したり華やかなリーグです(^^)
今でこそパ・リーグも人気が付いてきましたが、2019年の入場者数は約1200万人!
一方のセ・リーグは約1500万人も動員しています!!
(特に「読売」と「阪神」は年間300万人を動員していますΣ(゚Д゚))
パ・リーグは地域密着型の球団が多い
一方のパ・リーグは当時はセ・リーグに比べ人気もなく、興行収入も下回るため、
スター選手を育成出来なかったり、外国人助っ人を補強出来なかったり、
華やかさがないリーグでした…
とにかくセ・リーグをライバルとして、何とか追いつくために
リーグとしての運営努力を重ねてきました!
具体的には球団の統廃合や、本拠地を地域に移したのが良い例ですね(^^)
例えば、「大阪近鉄バファローズ」と「オリックスブルーウェーブ」を現在の「オリックスバファローズ」に統合したり、
新規球団として「東北楽天ゴールデンイーグルス」を新設したりしました。
また、昔からある球団も当時「南海」として関西を本拠地としていたホークスを福岡に移したり、
日本ハムファイターズを北海道に移したり、首都圏だけではない地域密着型の経営を行うようになりました。
こういった試みで野球が広く普及していなかった地域のファンを取り込むことに成功し、経営資金を確保!!
セ・リーグに負けないくらいに選手を育成したり、外国人を補強したり力を付け、
「実力のパ」と呼ばれるようになります!
現在も2005年から開催されたセ・リーグとパ・リーグの交流戦の対戦成績は2009年以外パ・リーグ球団が勝ち越しています(^^)
セ・リーグとパ・リーグの野球の違い
セ・リーグはオールラウンダー選手が豊富!そして戦術に注目すると面白い!!
セ・リーグは元々人気がある球団が多いため、オーソドックスなルールを採用していることが多いです。
奇をてらったルールにしなくても観客が入りますからね!
オーソドックスとは…9人野球をするということです!
野球をするチームメイトたちをナインと言いますよね?
野球をするために必要な9つのポジションにプレイヤーがいて、皆が打って、守って、走るというプレーを行います(^^)
しかし、その中でも特別なポジションが…それはピッチャーです!!
ピッチャーはピッチャー以外の野手と違い、攻撃参加しづらいんです。
- 投球練習があるため、打撃練習のウエートが少なくなり、野手より打撃力が低くなる。
- 打撃をして手の感覚が狂えば、投球に支障が出る可能性がある。
- 出塁した場合、走塁でムダにスタミナを使う。
- 出塁した場合、ホームに帰れなければ次のイニングに向けた投球練習が出来ない。
このような理由からピッチャーはあえて打たなかったり、ランナーがいればバントをしたりあまり攻撃参加はしません。
ただ、都合良くランナーやアウトカウントが整ってピッチャーに打順が回ってくるわけではありません。
「ここは攻勢をかけるシーン!」と判断すれば、野手を代打に送ります。
そして、そのタイミングでピッチャーは交代になるんです。
なので、セ・リーグではピッチャー続投させるか、1チャンスの攻撃で流れを引き寄せるか戦術が問われます。
また、ピッチャーに関わらず、野手も全員守備につかなければならないので、必然的に
攻撃力だけでなく、守備力もあるバランスのいいオールラウンダーが多い傾向にあります。
パ・リーグは一芸に秀でた選手が魅力!発展のための独自ルールも面白い!!
一方のパ・リーグはセ・リーグの二番煎じのようなリーグ…
同じことをやっていては見向きもされません(-_-;)
そこで、パ・リーグ独特のルールをトライするようになりました。
現在も残っている中で有名なのは予告先発制とDH制ですね(^^)
予告先発制は試合の前日に次の試合に登板する先発投手を発表する制度です。
この制度によってたまにしか球場に足を運べないファンの方が、
目当てのピッチャーを観戦出来るように始まった制度です。
以前は予想先発として「明日はこの投手が投げるのかな…」と予想していて、
それをあえて予想と違うピッチャーを投げさせる奇襲をするチームもいました。
この予告先発制が好評で、現在はパ・リーグに続く形でセ・リーグも採用しています。
そして、DH制度は「Designated Hitter」の頭文字で、指名打者のことを指します。
セ・リーグの紹介でピッチャーが攻撃参加しづらい特別なポジションであることをお話ししました。
せっかくチャンスを作っても、シーンによってはピッチャーが打席に立ち、チャンスが潰えることもあります。
そこで、パ・リーグは「投手は投球に集中し、代わりに攻撃力がある野手を打席に立たせればいい!」と思いつきます♪
それがDH制度の始まりで、ピッチャーの代わりの野手を指名打者というわけです。
また、指名打者は守備には付かないで、攻撃にのみ参加するのもメリットです!
「攻撃力はあるけど、守備がイマイチ…」という野手を起用することが出来ますし、
ピッチャーも試合展開に左右されずに投球出来る…ウィンウィンの関係です(^^)
そんなオリジナルルールの影響かセ・リーグのオールラウンダーな選手達に比べ、
パ・リーグは攻撃力がある選手や足が速い選手など特に一芸に秀でた選手が多い傾向にあります。
まとめ
今回はセ・リーグとパ・リーグの歴史や特徴、違いをまとめていきました。
まさか、地域や実力ではなく仲違いでリーグが分裂したなんてチョット驚きですよねΣ(゚Д゚)
でも、2リーグ制になり、それぞれのリーグのカラーを持つことによって、
お互い良いライバル関係を築きながら、成長し合うことが出来たと思います。
そして、最後に筆者の希望兼予想なのですが…
いずれ、プロ球団はさらに増え、3リーグ制や4リーグ制になる日も来るのではないかと思います。
日本のプロスポーツの中で野球はJリーグと1、2を争う人気ですし、
現在ではプロ球団をサポート出来る経済力がある企業も多く誕生しています。
そんな企業がプロ球団を発足し、再びリーグ再編となるのも夢ではありません。
ソフトバンクの王貞治取締役会長もプロ球団の増加を訴えています。
メジャーリーグのようにプロ球団が増え、
野球人口が増加したり、プロ選手がさらに技術が向上したりすれば、もっと楽しくなりそうですね(^^)