野球観戦をしていると、「Whip」という言葉を聞いたことがありませんか?
この言葉はメジャーで使われている指標であり、意味としては、ピッチャーの評価をする際に使われます。
そんなWhipですが、日本では公式記録とはなっておらず、何度か聞いたことはあっても知らない人もいるものです。
そこで、今回は、Whipが表す意味についてやWhipによる投手の評価基準、そして日本プロ野球のランキングを紹介していきます。
これからの野球観戦を楽しむためにも、参考にしてみてくださいね!
Whipの概要
Whipとは、Walks plus Hits per inning pitchedの頭文字を取った言葉であり、読み方は、「ダブル エイチ アイ ピー」もしくは「ウィップ」と呼びます。
どちらかというと、「ウィップ」の方が簡単に言えるので、そちらの方が話す際などは使いやすいですね。
そしてこの指標の意味としては、ピッチャーの能力を測るための評価基準となっているわけですが、次の項目から詳しく解説していきます。
計算方法からWhipの意味を解説
では具体的に投手のどんな能力を測るための指標なのかをWhipの計算式からひも解いていきましょう。Whipの計算式は以下のようになっています。
Whip=(与四球+被安打)÷投球回
与四球は与えたフォアボール、被安打は打たれたヒットの数を意味します。つまり、ランナーを出してしまうフォアボールやヒットの数を投球回で割った数がWhipの計算値となります。
とかれこれ解説されても、「だからその値が何を意味しているの?」となりそうですが、Whipとは結局「一回あたり何人のランナーを出すのか?」という意味を持っているわけですね。
では、具体的に数値を当てはめてみましょう。
- ピッチャーが9回までに投げ切った
- フォアボールを4つ、打たれたヒットが10本の場合(出したランナーの数は14人)
となるので、Whipの計算値は以下のようになります。
Whip=(4+10)÷9=1.555…
おおよそ1.56といったところでしょうか。ということは、このピッチャーは一回あたりに出すランナーの数が1.56人ですので、ランナーを1人もしくは2人くらい出すかもということになります。(結構ピンチを作っちゃうピッチャーですね…。)
逆にこのWhipの値がかなり小さい場合、一回あたりのランナーの出塁が少ないということになるので、三者凡退に抑える可能性が高いということになります。
先発ピッチャーの場合、Whipの計算値×9が重要!
先発ピッチャーは、9回まで投げるのが理想的です。
ということで、1回当たりに出るランナーも大事ですが、9回でどれほどのランナーが出るのかも必要です。
そのランナーの数を計算するためには、Whipの計算値×9回を計算することで、9回までに出すであろうランナーの数を計算することができます。
Whipが低い=コントロールが良くヒットも打たれない
Whipが低いということは、打たれるヒットが少ないこともありますが、フォアボールやデッドボールも出さないということもあるので、コントロールが非常に良いということになります。
ですので、これからWhipの指標が低い=コントロールが良いし、打たれるヒットも少ないと考えましょう。
Whipによるピッチャーの評価基準
Whipの評価基準は、一般的に以下のような評価基準となっています。
Whip | 評価基準 |
1.00未満 | 超一流 |
1.00~1.25 | 一流 |
1.25~1.39 | 普通 |
1.40以上 | 悪い |
やはり、1.00未満となるとかなりの一流選手となりますから、Whipが1.00未満の選手を発見したら、この選手は超一流だ!と思って、観戦しましょう。
プロ野球のWhipランキング
ここからは、2017年度のセ・リーグとパ・リーグのWhipランキングを先発ピッチャーだけに焦点を合わせて紹介します。
どちらのランキングを見ても、各球団のエースがランキングしています。
セ・リーグのランキングは菅野投手がナンバーワン
セ・リーグのランキングについては以下の表をご覧ください。
順位 | 選手名 | 球団 | Whip |
1 | 菅野智之 | 巨人 | 1.00 |
2 | 大瀬良大地 | 広島 | 1.01 |
3 | 東克樹 | 横浜 | 1.12 |
4 | 山口俊 | 巨人 | 1.21 |
5 | メッセンジャー | 阪神 | 1.26 |
一位は、2017年WBC準決勝でアメリカ相手に堂々のピッチングをした菅野投手です。
世界にも、コントロールの良さをアピールしたこともあり、フォアボールの数も少なく、ストライクゾーンのギリギリを攻めることで、相手バッターに脅威を与えました。
その他の選手も、フォアボールの数が少なく、バッターと勝負する傾向が強い人ばかりです。
パ・リーグのランキングは、右のエース岸投手が一位
次に、パ・リーグのランキング表を以下に載せています。
順位 | 選手名 | 球団 | Whip |
1 | 岸孝之 | 楽天 | 0.98 |
2 | 菊池雄星 | 西部 | 1.03 |
3 | 上沢直之 | 日ハム | 1.11 |
4 | 西勇輝 | オリックス | 1.22 |
5 | 則本昂大 | 楽天 | 1.23 |
Whipランキング第1位は、楽天所属の岸孝之選手です。球界でもナンバーワンを争うほどのコントロールを持ち、調子が良いとキャッチャーのミットがほとんど動かず、リード通りに投げれるほどです。
そんな岸選手は、今年最優秀防御率を獲得するほど安定した成績を出し、30歳を超えた今でもパ・リーグを代表する選手と言えます。
Whipランキング2位は、西部のエース菊池雄星投手です。
左ピッチャーでありながら、150キロ越えのストレートを投げるため、どのバッターもそのストレートを打ち返せないほど、凄い投手になっています。
しかし、今年のシーズン途中において、二段モーションという反則投球を取られたことで話題となりましたが、最終的にその問題を解決し、素晴らしい成績を残しました。
二段モーションについては、以下の記事に書いていますので、分からない方はぜひ参考にしてみくださいね!
その他のピッチャーも、コントロールが良い選手がランキングしている印象ですね。
まとめ
今回は、Whipの意味についてご紹介しました。
防御率や勝利数などの指標を見ることも面白いですが、こういった指標の意味が分かると、さらに野球観戦が面白くなりますので、これから注目してみてくださいね!